上司は思いつきでものを言う/橋本 治

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4087202402 上司は思いつきでものを言う
橋本 治

集英社 2004-04
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 著者の経歴を見ても会社勤めをしたようには見えないのに、どうしてここまで会社のことがわかるのだろう?問題は個々の会社にあるのではなく、もっとほかの根本的なところにあるのではないか。実は会社のことを書いているのではなくて、それは「社会」の普遍的な問題を「会社」に置き換えて書いているからなのかな…なんて思ったら「あとがきのあとがき」に、「就職」というものをしたことがないと、告白していた。実際「会社というものの抱える問題」は、会社というものは「拡大していくことが至上命題」であり「会社には、”大きくなる”という動機に歯止めをかけるものがない」ことにあるという。なるほどね。確かに会社が拡大しないなんてあまり考えにくい。けれど、そのために起きる歪みというものは少なからずあるはずで、それに巻き込まれればそりゃ不満は出てくるだろう。この本はタイトルはいささか過激だけれど、実際の中身はもっともだと思わせる部分も多い。けれど、なんだか回りくどい?著者特有の表現というか言い回しで、読み終えると、なんだかわかったようなわからないような、不思議な感覚になってくる。もう何度か読み直すと、わかってくることもあるのかもしれない。
(2005/1/8) 【★★★☆☆】 -05/1/8更新