1094 ある種の暴力

定点観察

視界が遮られる地下鉄での中吊り広告は、それが何気ないものであっても、ちょっとした変化を楽しむことができる。たまに同じ広告主で占められた車両に乗り合わせることがある。一社や一団体で広告が貸し切られている状態だから、当然同じ感じの広告になりがちだが、それでも一枚一枚が別の読み物やコラムであったり、別々の写真であったりと、工夫されていることが多かった。しかし、最近は不況のせいか、こういった「広告貸切」の車両の広告は、ほとんどすべて同じ内容の広告で埋め尽くされていることが多くなってきた。どこを見ても同じ広告…これは、限られた視界に居合わせた乗客に対するある種の暴力と言ってもいいくらいで、広告を出している側の品位を疑ってしまうのは僕だけだろうか。

Posted by ろん