1063 人体の不思議展

定点観察

どうしても行っておきたい企画や展示というものが年に数回あるが、今年は、どうも当たり年?だったようで、やけに多かったような気がする。

今日行ってきた「人体の不思議展」もそのひとつで、数年前にも同様の企画があったはずだが、諸般の理由で行けなかったため、今回こそは是非と思っていた。

新聞やポスター等で紹介されていたので、ご存知の方も多いかもしれないが、人体標本が腐敗しないように組織を樹脂で置き換えたもので、プラトミック標本と呼ばれている。

ということは、展示品すべてが本物の人体なわけで、当然迫力のある展示だったことはいうまでもない。

けれど、あまりの混雑に閉口してしまった。昨日、TBS系テレビで「人間とは何だ」という、

人体の神秘に迫るようなスペシャル番組をやっていたからなのか、とにかく、人、人、人で、標本がほとんど覆い隠されてしまっていた。

標本を見るには、人を掻き分けて進んでいかねばならない。それにしても、この展示会、見ている側も見られている側も、同じ「人」なんだから、妙な感じだ。

さて、肝心の展示の方は、さすが本物の迫力で見ている者を飽きさせない。

ただ、各コーナーの解説の文章がかなり低い位置にあって、あまりの人の多さのため、ほとんど見えなかった。周囲の壁はほとんど使われていない感じだったので、もっと多用して欲しかった。

また、標本のすぐそばに書かれている解説の文章は、かなり小さな文字で、しかも振り仮名などは一切振っておらず、少々専門的な書き方なのが気になった。どこか標本を展示することで満足していまっているのではないかと思わせる感じだ。本物に触れさせる機会を設けるという従来の展示会にない試みなど評価したい点もある。

と同時に、なぜ展示会で安くない入場料(ひとり1500円)を取って、期間限定なのだろうという疑問がわいてきた。これほど意義のある企画ならば、常設の博物館で展示することはできないものだろうか?

もっとじっくり見てみたいし、単純に「はぁ、臓器ってこんな感じになってるのね」程度ではなく、もう少し、勉強しながら触れられるような環境にあって欲しいと感じた。

Posted by ろん