8088 展覧会「浮世絵おじさんフェスティバル」

太田記念美術館で開催中の「浮世絵おじさんフェスティバル」へ。浮世絵に描かれてきた武士や美人、役者といった主役ではなく、なんでもない日常を生きる、名もなき“おじさん”たちにスポットを当てている。
彼らは決して、“モブキャラ”ではなく、よく見れば、みんな表情豊かだ。
今回、多くの歌川広重の作品が紹介されていた。
やたら「東海道」が多かったのでどういうことなのだろうと思ったら、生涯を通じて、広重は「東海道」を描き続け、実に20種類以上も制作したのだそうだ。
また、葛飾北斎の、写実的でありながらユーモラスなおじさん。
歌川国芳の、豆粒ほど小さくても手抜きのない、存在感あふれるおじさん。
さらに英泉、鳥居清長、喜多川歌麿から、明治期の小林清親に至るまで、時代も作風も異なる絵師たちが描いた多様なおじさん像が並ぶ。
浮世絵は流行の移り変わりが激しいが、脇役として描かれるおじさんたちは比較的自由で、むしろ絵師の素の個性が表れやすいモチーフだったそうだ。
なぜか、こちらをじっと見ている、”カメラ目線”のおじさんが意外と多かったのが興味深かった。