7567 展覧会「浮世絵お化け屋敷」後期
太田記念美術館で開催中の「浮世絵お化け屋敷」は、前期展は以前鑑賞しているが、すべての展示が入れ替えられるということで、後期展に行ってきた。
ここは一切の写真撮影が不可で、展示室内でないところで写真を撮っていたら、館内すべて写真撮影が不可なのだそうだ。
歌川国芳《相馬の古内裏》や《日本駄右エ門猫之古事》などは、前者のほうは、今回のポスターでも使われているほど、インパクトがある。巨大な骸骨や”化け猫”に圧倒される。
どうも気になる作品は、歌川国芳が多いようだ。
歌川国芳《四代目市川小団次の於岩ぼうこん》は、夫の陰謀で毒を飲まされ醜い顔になって命を落としたお岩。団扇と虫籠を手に踊る美しい娘の背後に、不気味な幽霊が同じポーズを取っている。そういった背景を知ってから絵を見ると怖さを感じる。
歌川国芳《当三升四谷聞書》も、お岩さんが登場する四谷怪談に関連した作品だが、巨大な幽霊のインパクトがすごい。
歌川国貞(三代豊国)《東海道四谷怪談》は、お岩の夫であった伊右衛門に、お岩とともに殺された小仏小平は一枚の板に釘付けにされた。この作品のよくできたところは、その小仏小平の上半身が描かれた紙をめくれるようになっていて、それを開くと、不気味なお岩が現われる仕掛けが施されている。
重丸《鬼娘退治》は、1867年(慶応3年)2月、江戸市中に小さな子どもを襲って食べる「鬼娘」が現われ たというニュースを描いたものだそうだ。にわかには信じられないが、実際はどういう事件だったのだろう?噂話を絵にしたら、こんな感じになったというところだろうか。
月岡芳年《不知藪八幡之実怪》は、以前から気になっていた”禁足地”を取り上げた作品だった。
これは、現在の市川市八幡にある森に一度入ると 出られなくなってしまうという伝承がある。その真実を解き明かすべく、なぜか水戸黄門ことあの徳川光圀が藪に入る。そして、藪の中で老人に出会うが、その老人は早々に立ち去れと、なんと光圀を藪の外に投げ飛ばしてしまう。
なんとういう話。