7815 展覧会「没後80年 小原古邨」
太田記念美術館で開催中の、展覧会「没後80年 小原古邨 ―鳥たちの楽園」を鑑賞。
実は先月12日に、前期展示の鑑賞をしていて、今日は後期展示の鑑賞ということで、本展は2回目ということになる。
小原古邨(1877~1945)は、明治末から昭和前期にかけて活躍した花鳥画の絵師で、近年注目が集まっているのだそう。
さまざまな鳥をモチーフとした作品が紹介されている。
酸実に緋連雀((ヒレンジャク)、藤に四十雀(シジュウカラ)、蓮に雀(スズメ)、枝垂れ桜に燕(ツバメ)、柿に目白(メジロ)、木蓮に九官鳥(キュウカンチョウ)、月に鶉(ウスラ)
…といった感じで、取り上げられている鳥の種類はかなり多い。
そして、なにより描き込まれ方がすごい。
色や形といった特徴はもちろん、鳥たちの一瞬の仕草のようなものを見事に捉えている。
作品とともに気になったのは、鳥に関する説明だ。
《藤に大瑠璃と蜘蛛》という作品に登場したオオルリは、日本三鳴鳥(コマドリ、ウグイス)の一つだ…とか。
《花菖蒲に鷭》に登場した鷭(パン)という鳥は、そもそも知らなかったが、水田を外敵から守る「田の番をする鳥」として、パンの名前が付いたのだそうだ。
《花菖蒲に田鳧》 の、田鳧(タゲリ)とは「田んぼの貴婦人」と呼ばれていたそう。
《公孫樹に鳩》 河原鳩(カワラバト)家禽化されてた河原鳩が野生化したものが土鳩・堂鳩(ドバト)と呼ばれるという。
《松に鷹》 蒼鷹(オオタカ)大きさではないとは知らなかった。羽の色が青っぽいグレーをしていることに由来しているのだそう。
《魚を捕える鵜》 河鵜(カワウ)魚を捕まえるのが上手い水鳥で、魚を逃さないようにくちばしの先端が鉤形になっている。
《白鼠》さまざまな鳥や動物が描かれているなかで、あまりねずみは登場しないのは残念だが、この作品では、白鼠が主役。仲間に呼びかけているような姿が楽しい。
《踊る狐》は、ほとんどすべての作品が、リアルな生態に基づいて描かれているのに、これだけ、擬人化した感じに狐が踊ってる。作者の遊び心か?