7943 夜に浮かぶ核融合炉

核融合炉の実物大模型が展示されるというニュースを見て、思わず足を運んでみた。
会場となっている東京ミッドタウンに到着したのは夜だったが、暗闇の中で浮かび上がるように照らし出された模型は、なんとも言えない不思議な近未来感を漂わせていた。
以前から核融合という技術には興味があり、ニュースで取り上げられるたびにチェックしてきた。
とはいえ、実際には期待が空振りに終わることばかりだ。
まぁ仕方のないことだとも思っている。
なにしろ、現実離れした仕掛けが必要な核融合炉が、そう簡単に実現するとは思えないからだ。
けれども、こうして模型とはいえ現物を目の前にすると、ほんの少しだけ現実味を帯びてくる。

展示の前では、数人の若いスタッフが模型について説明していた。
そのうちの一人からノベルティのペットボトルを受け取り、簡単な解説を聞く。
ノベルティが水なのは、核融合の燃料が水素であることを伝えたいからだそう。
詳しいことはQRコードで確認すればよいとのことだった。
そして、周りの来場者の関心がどの程度なのか尋ねてみると、「あまり高くはない」という答えが返ってきた。
たしかに、この展示だけを見ても「何だろう?」くらいの印象にとどまるのかもしれない。
それでも、なかなか理解されにくい核融合を一般の人にアピールする機会があるのは、大切なことだと思う。
実際、説明をしていたスタッフも「原子力発電とは異なり、比較的クリーンなエネルギーであることを伝えていきたい」と話していた。
わずかな燃料(重水素)で莫大なエネルギーを取り出すことのでき、原子力発電のような長寿命の放射性廃棄物を出さない究極的な発電方法である核融合発電。
少しでも多くの人が核融合を理解し、その実現が近づくことを願わずにはいられない。

