7929 北陸新幹線延伸計画で考える

JR西日本の社長は会見で、北陸新幹線について「米原ルートは望んでいない」「新大阪まで直通で結ばれて初めて意味がある」と発言したそうだ。
北陸新幹線は敦賀まで延伸開業したものの、本来の最終目的地である新大阪までの開業の見通しは依然として立っていない。
そもそもルート自体が確定したとは言い難い状況にある。
現時点で決定しているのは小浜・京都を経由するルートだが、特に京都での反対が強く、着工は極めて困難といわざるを得ない。
一方で工事区間が最も短いとされる敦賀―米原ルートについても、滋賀県側が「メリットがない」として事実上反対しており、さらにJR西日本とJR東海も難色を示している。
このままでは建設は実現困難で、敦賀が半永久的に乗り換え駅として残ってしまう可能性が高い。
誰もそれを望んでいないはずなのに、である。
いわゆる米原ルートが困難とされる理由のひとつに、規格の異なる東海道新幹線への乗り入れが難しいという点がある。
東海道新幹線は既に過密ダイヤで運行されており、新たな直通運転を組み込む余地は少ない。加えて、運行会社が異なることも大きな障害となっている。
あまり議論されていないものの、米原から京都・新大阪までの区間については、線増――つまり複々線化という方法も考えられるのではないかと思う。
既存の東海道新幹線沿いに新たな線路を建設するのは容易ではないが、全く新しいルートを一から建設するよりは費用を抑えられる可能性があるだろう。
結局のところ、このままではルートの決定自体が進まないのは明らかである。
重要なのは何を優先するかという「順序づけ」だと思う。
それがないと、いまのように、それぞれがそれぞれの思いを主張するだけで終わってしまう。
もし、関西と北陸を結ぶことを最優先とするならば、現実的な選択肢を幅広く検討することは大いに意味がある。
そして、その上でいかにコストを抑えるかという視点を加えれば、より現実的で実行可能な解決策に近づくはずだ。
しかし同時に、そもそもの整備新幹線の建設スキームそのものが、この問題の進展を阻んでいることも否めない。
国の補助方式やJRへの負担の仕組み、自治体の理解形成といった制度的な制約が、ルート選定や事業推進を硬直化させている。
関西と北陸をどう結ぶのかという本質的な課題を解決するためには、この枠組み自体を見直す議論も避けて通れないだろう。