8134 押し込まれた車内で思う

今日は18時の約束で出掛ける予定だったのだが、出発が遅れ、駅までかなりの距離を走る羽目になった。息を切らしてなんとか駅に辿り着いたものの、駅の雰囲気はどこか異様だった。
少し前に人身事故が発生したらしく、ホームは溢れんばかりの乗客で埋め尽くされている。
ようやくやってきた列車の中も、これ以上は乗り切れないほどの人であふれていた。
「もう無理だ」という状況で、さらに人が押し込まれてくる。
身体はよじれ、持っていた荷物が手から離れそうになるのを、必死でこらえて自分の居場所を確保した。
今日の約束は幸い多少の調整がきくものだったが、もしこれが「絶対に遅れられない」場面だったなら、そのもどかしさは計り知れないだろう。
この大きな混乱は、たった一人の飛び込みによって引き起こされたものだ。
こうした状況の渦中にいたからこそ、感じてしまうことがある。
ありふれた意見かもしれないが、「なぜこれほど多くの人を巻き込む形での死を選ばなければならなかったのか」と。
もちろん、そこに理屈など通じないことはわかっている。
そう考えてしまうのは、自分が今、冷静でいられる側にいるからなのだろう。だが、どうしてもそう思わずにはいられないのだ。
逆に言えば、それほどまでに追い詰められていた、ということなのかもしれない。
日々の中で、嫌なことやつらいことはたしかにある。
けれど、人生の最期の瞬間にこれほどまでの迷惑をかけることだけは、できれば避けたいと切に思う。
そう思えているうちは、まだ自分は大丈夫なのだろうか。