8133 展覧会「表装―肉筆浮世絵を彩る」

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太田記念美術館
太田記念美術館

太田記念美術館で開催中の展覧会「表装―肉筆浮世絵を彩る」を鑑賞。

「表装」とは、絵画や書の保存・鑑賞のために、裂地や紙を用いて掛軸や巻物などに仕立てることを指す。

絵を引き立たせる重要な役割があるものの、その役割ゆえ、表立って解説されることもなかった表装にスポットを当てる。

表装は、一点ものである肉筆浮世絵に施されることが多かったようだが、この表装が、いつ誰によって施されたものなのか、実はほとんどわかっていないという。

本展で紹介されている作品も判明しているものはないそうだ。

展覧会「表装―肉筆浮世絵を彩る」
展覧会「表装―肉筆浮世絵を彩る」

ただ、表装を施すのは作品の所蔵者であることが多いとのことで、具体的な人物を特定できることは少ないものの、所蔵者がわかれば、そのうちの誰かが表装に関わった可能性が高いということにはなるそう。おもしろいと思ったのは、隅田川の情景を描いた古山師重《隅田川両国橋之景》では、表装に水鳥の刺繍を施して、まるで絵の延長のような雰囲気を出していた。

また、国芳十三回忌書画会で、弟子の月岡芳年が描いた《歌川国芳肖像》は、国芳らしい派手な着物、優しげな表情、猫好きだった彼に猫が寄り添っていたりしている。

そして、陶器軸の藍色が帯や手拭いの藍色と合わせてあるようなところなど、月岡芳年の師匠を想う気持ちが作品だけでなく現れているところが、芳年と国芳の関係性まで見えてくるよう。

今後は、表装も気にして見てみるようにしよう。

Posted by ろん