7911 注意書きに映る「恐ろしさ」
図書館の静けさのなか、ふと目に入った一枚の注意書き。
それは、こんな内容だった。
視聴コーナーを利用される方へ
以下の行為は、周りの方のご迷惑となりますのでおやめください。
・ヘッドフォンからの音漏れ
・歌を口ずさむ・笑い声
・飲食・居眠り

この文言を目にしたとき、思わず立ち止まってしまった。
「こんなことまで書かなければならないのか」と。
まぁ、ヘッドフォンの音漏れは、たしかに完全には防ぎきれないこともある。
不可抗力とは言わないまでも、起こり得ることだとは理解できる。
しかし、歌を口ずさむことや大きな笑い声となると話は別だ。
ここは図書館だ。
無意識に歌い出したり、笑い声を上げたりする感覚が、どうにも想像できない。
だが現実には、そうした行動を取る人がいる。
いるからこそ、それを「してはいけないこと」として明記されなければ気づかない。
注意書きが存在するということは、それを必要とする人がいるという証拠なのだ。
自分の「当たり前」が、他者にとっての「当たり前」とは限らない。
そんな当たり前の事実を、この注意書きであらためて突きつけられた。
「わかりきっている」と思っていたことが、実はまったく共有されていない可能性。自分の常識が通じない世界はすぐ間近にあるという、ある種の恐怖だ。
それに気づかされた瞬間だった。