3737 寒いエレベータ
朝、いつものように会社のエレベータの到着を待つ。
このビルには、他の企業も入居していることもあって、ほとんどが知らない人ばかりだ。
少々電車が遅れて、会社に着いた時間が遅れ気味だったせいか、エレベータを待っていた人も多めだった。
でも、1台のエレベータに乗り込むのは余裕の人数だった。
エレベータのドアが開く。
誰も乗っていなかったので、前の方から順に乗り込む。
そして僕が乗り込もうと思ったら・・・
いきなり扉が閉まりはじめ、不意をつかれた僕は、扉に挟まれてしまった。
当たった場所が悪かったせいか、ドーンと大きな音がして、扉がふたたび開く。
どうやら、誰も「開」ボタンを押してくれていなかったために、最後に乗り込んだ僕が挟まれてしまったようだ。
そして、僕の後ろからもさらに人が入ってきた。
でも、奥に隙間があるのにもかかわらず、なぜか詰めてもらえないのだ。
今日はいったい何なんだ?
外も寒かったが、エレベータの中も寒かった。