7823 硲伊之助展

久しぶりに、八重洲にあるアーティゾン美術館へ…「硲伊之助展」を鑑賞。
まず、硲伊之助(はざまいのすけ)は、画家であり、陶芸家であり、マティスやピカソ、ブラックといったそうそうたる面々の展覧会を日本で最初に誘致するなどのプロモーターでもある…。
…という、マルチな才能を持った人物であった…というのは、今回の展覧会をきっかけに、いろいろ検索して知ったことだ。
今回の展覧会が、東京で初の個展とのことからもわかるが、自分が知らないのは当然?としても、彼の業績については、これまであまり知られていなかったようだ。

日本で初めての表現主義的な美術運動である「フュウザン会」に参加した硲の初期の作品は、「フュウザン会」の発起人のひとりである岸田劉生の影響が強いのがわかる。
土の感じとか電柱とか、意識しているとしか思えないくらい。
その後、アンリ・マティスと出会い師事するが、いくつかの作品は、やはりその影響が強くでているように見える。

そういった作品しかできないわけではなく、本や新聞の挿絵などにも積極的に関わっていたようだ。
作品は、アニメっぽいというか軽い感じで、挿絵として自己主張が強くなりすぎないような雰囲気。

彼の業績として紹介されていたのが、日本初のマティス展開催に尽力したということだった。
マティスに師事していたから、すんなりいったわけでもなかったようで、当初は断ったという。
理由は、当時朝鮮戦争が勃発し、作品が戦火にまきこまれることを恐れたからと言われているが、これをなんとか説得して開催にこぎつけたようだ。
もっとも、マティスは、どこかかなりドライところがあって、こんな手紙も紹介されていた。
前にあなたが望んでおられた2枚のデッサンと500フランの為替一
これは私がつけた2,500フランの価格を差し引いた残り一を送ります。
また絵の写真を同封します。これは覚えておられるでしょう。
あなたが欲しいといっておられたものです。
この絵をいろんな状況でしたのがこの3枚の写真です。
絵の価格は20,000フランです。
あなたが購入するかどうか決められるまで私の手許に残しておきます。
郵便だと手間どるので電報でイエスかノーを知らせて下さい。
私の電報アドレスはESSITAM NICE FRANCEです。
これにイエスかノーを加えられれば4字で済むでしょう。
師弟関係とはいえ、しっかりと請求するんだなぁ…と思った。
晩年は石川県加賀市で九谷焼に傾倒していたようだ。
紹介されていた作品でもっとも気になったのは、こちら…正確には裏面が気になった。
表とはまったく関係のない、2頭のカンガルーがじゃれ合っている。
なぜカンガルー??
実は…
「硲伊之助展」の前に、「ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ展」を、「硲伊之助展」の後に「石橋財団コレクション選 コレクション・ハイライト」を鑑賞している。
本当はそれぞれ紹介したいところだが、前者は内容が難しく、後者はボリュームが多くて、手が回らず…。








