7629 退任記念 斉藤典彦展
全体的にきわめて抽象的で、作品だけ見てもこれが何を意味しているのか、さっぱりわからない。
でも、タイトルは、“無題”とか謎の記号のような無機質なものは少なく、「こまやま-なつ」とか「白き森」など具体的な作品が多い気がした。
それを手掛かりに、作品を理解しようとは思うのだけど、これがなかなか難しい。
その上に白で文字が書かれているものだから、明るいところだとけっこう読みづらかった。

具体的に何を感じ取れるか…と問われると、なかなか答えづらい。作品を鑑賞できる感覚を持ち合わせていないのか、正直、なかなかスッと入ってこない。
ポスターやパンフレットで使われている作品は、びっくりするほど“淡い”。
そんな淡さが、彼の作品の持ち味なのだろうか。
解説にはこうあった。
これら地元の高麗山を散策する中で生まれた作品は、自然に潜む目に見えない根源的な気配が表され、近年の斉藤作品の集大成ともいえる新作「白き森」へ繋がっていきます。絹、屏風、掛軸、アクリル板など多様なかたちの作品で構成された本展覧会は、現代の日本画表現にこだわり続けてきた斉藤典彦の歴史そのものです。
陳列館2階の一番奥に、その「白き森」が展示されていた。
全体的に白いが”森”という感じはあまりしない。
もっと近づいて見ると…ところどころに、赤い部分があるが、これは何を意味しているのだろう…。

実際は、鑑賞した順番は異なるが、陳列館とは別に、ときどきしか使用されない正木記念館でも展示があった。
和室で見る作品は、けっこう違った雰囲気を感じた。