7253 豊洲-日本橋通勤”船”
舟運を身近な観光・交通手段として定着させるための取り組みとして、先月より東京都が日本橋と豊洲を結ぶ航路の運航を開始した。
気になってはいたので、一度どんなものか見に行って見たかったが、いかんせん運行が限られていて、当然ながら事前予約が優先されるので、それなりに予定を立てないと、利用は難しいのだ。
“通勤”を狙っているが、毎日ではなく週3日で、かつ夕方のみの運行となっている。
今回あらかじめ豊洲18時50分発の便を予約。
豊洲へはシェアサイクルで移動。
初めて、夜の晴海フラッグの前を通ったが、当然ながら、まだ真っ暗だった。
こんな風景風景が見られるのもあとわずかだ。
ららぽーと豊洲の乗り場はすぐにわかった。
船はかなり小さい。
所定の時間よりも数分早く出発。
操縦する船長が、なぜこの船が小さいのかについて説明があった。
それは、いまの時刻が今日の満潮に近く、小型船でなければ日本橋川の橋の下をくぐるこおができないからだそうだ。
ガソリンエンジンの小型船よりも大型のディーゼルエンジン船のほうが、燃料費が安いので、船会社としては好ましくないそうだがら、橋を潜れないのであれば、そうも言っていらない。
この船自体は、ふだんは羽田空港と都内を結ぶチャーター船として使われれいるそうで、東京オリンピックのときには、日本の皇族や海外からのVIPも乗せたという。
満潮以外のときに運行される、もう一隻の船は、外にも出られるので開放的ではあるが、こうしたふだんは乗れない”特別な船”ということで、あえてこちらを狙って乗る人もいるらしい。
船長に言わせると、"500円はお得"だという。
もう外は真っ暗ではあるが、ライトアップしている橋や建物のおかげで、おおよその位置はわかる。
船は順調に進み、隅田川から日本橋川へと移る。
満潮近くで通れるかどうかの判断するのが、日本橋川に架かる橋だそう。すでに今日の満潮の時刻からは少し過ぎているが、やはり、まだ潮位は高いため、この船でないと通行できないようだ。
左側には、東京証券取引所が見えた。
日本橋はもうすぐだ。
所要時間は20分となっているが、この船が”本気を出せば”、10分で着いてしまうらしい。
もちろんそんなスピードは出さないものの、20分弱で日本橋へ到着。
船長さんに話を聞く。
今回は観光客ばかりのようだったが、狙いである通勤客はいるのか?と尋ねると、多少はいるようで、現在な用意されていない、回数券や定期券などについての質問があるという。
また、やはり朝の運行を求める声が多いようだ。
たしかに、日本橋と豊洲のあいだは、地下鉄を利用すると、日本橋駅-(東京メトロ東西線)-門前仲町駅-(都営地下鉄大江戸線)-月島駅-(東京メトロ有楽町線)-豊洲駅…と、距離は短いのに2度の乗り換えが必要なうえに、その2回目は乗り継ぎ割引が適用できない。
こうした船で、混雑する朝の地下鉄を避けることができるという点で、十分に競争力はありそうだ。
船長に話を聞いて初めて知ったが、この実証実験は3年も続くらしいので、その間に定着するかどうか…ちょっと気になるところだ。