世界失敗製品図鑑/荒木博行

■ビジネス・経済,龍的図書館

本書では、世界的な企業が失敗した製品とかサービスの事例を紹介する。

20の事例を取り上げていて、聞いたことがなかったものもあったが、こんなあったなぁ!と懐かしく思うものも多い。

なかには実際に自分もユーザーだったものもある。

そのときから「これは長続きしないだろうなぁ」…と思ったものもあったり、その時代ならでは…といったものも多い。

まぁ結果論で語られることも多い気もするけど、失敗は失敗。

歴史は繰り返すものだから、ここで取り上げられた話は、きっと同じようなことも起きるだろう。

共通して言えるのは、消費者のニーズに合ってないこと。

そう言ちゃあそれまでだけど、結局はそれに尽きる。

そんな簡単な原因がわからなくなってしまうところが、失敗の本質なのだ。

当事者になるとそれが見えにくくなる。

また、よくあるのが、コンセプトはよくても、登場した時代が早すぎて技術が追いついていないといういう事例。

アップル「ニュートン」(1992年)を初めて知ったときは、こんなものができたんだ!と、本当にびっくりしたものだが、当時の技術では期待に応えらる製品になれず、続かなかったのは周知の通りだ。

そして、アップルが満を持してiPhoneを発表したのは、2007年だった。

取り上げられている20の事例は、古くは、1957年のフォード「エドセル」、1961年のトヨタ自動車「パブリカ」から、比較的最近では、2019年のセブンイレブンジャパン「セブンペイ」など、かなり幅が広い。

ドリームキャストは1998年だったそうだから、もう25年も前だ。

本書での事例ではなかったが、技術が早過ぎて…ではなく、世の中の“常識”が追いついていなかったために、失敗に至った製品やサービスなんかももあるかもしれないなぁ…とも思った。

読み応えのある内容でおもしろかった。

Posted by ろん