5638 政治家としての資質
国土交通副大臣が、首相と副総理の地元を結ぶ下関北九州道路計画を進めるために“忖度した”と応援演説でアピールしたことに批判が集まっている。
もちろん、忖度自体が問題ではあるのだけど、そもそも、忖度とは、相手を慮って黙って行動することであって、こんなことを嬉々として喋ってしまう時点で、もはや忖度ではない。
こういうことを言わないと、自分の手柄にならないとでも思ったのだろう。
こういう人が、国会議員になってしまうとは、なんとも情けない話だが、実際の演説で述べた内容で、さらに気になったところがある。
吉田幹事長が私の顔をみて「塚田分かってるな。これは総理の地元と副総理の地元の事業なんだよ」と。私すごく物分かりがいいんです。すぐ忖度します。分かりましたと。
いや幹事長に言われてるまで忖度できなかった時点で、政治家としての資質に欠けていたのかもしれない…もちろん皮肉だけど。
本当の問題は、このプロジェクトが、もし本当に必要なのだとしたら、この余計な出来事で、必要以上にハードルを上げてしまったかもしれないということだ。
関門海峡は本州と九州を結ぶ大動脈だが、老朽化が進んでいることは間違いなく、代替ルートを考えることは、けっして無意味ではないからだ。
いずれにしても、国土交通副大臣は余計なことをしてくれたのは間違いない。