3174 震災初日
「そういえば、この前もちょっとした地震があったな…」
…なんて思っているうちに、どうも揺れが収まらないといういことに、少しずつ、イヤな予感がしていた。
今日は、もう打ち合わせもなく、いろいろやらなきゃいけない仕事をこなしていこうと思っていた矢先のことだった。
揺れは止まらないどころか、いつまでも続いた。ゆっくりだった揺れの幅も、どんどんと大きくなり、椅子に座っていることすらできなくなってしまった。
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机の上にあるモノが下に落ち、重いFAX複合機が動き、ふだんは開かない壁に収められたパイプスペースの扉が開閉し、バタンバタンと大きな音を立てていた。
向かいのビルが大きく揺れているのもわかった。ビル全体が軋んでいるような不気味な音が響いていた。
ようやく揺れが止まったとき、周囲の人たちの表情は、みな青ざめていた。
高層ビルのせいか、長い揺れがいつまでも続いてたし、まるで船酔いしているかのように、少し気分が悪くなってきた。
何度も余震も続いたこともあって、もはや、仕事とには手が付けられなかった。
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携帯電話はまったく使えなくなってしまっていた。
しばらくして、会社からは、帰れる人は自宅に帰ってもよい…という連絡があったものの、電車が一切止まっているので帰りようがない。
ビルから、いくつか煙が上がっていたり、遠くには、コンビナート火災も見えた。
インターネットやワンセグのテレビを見ると、被害が非常に大きいことがわかってきた。
夜になり、引き続き、交通機関が麻痺していることがわかると、今晩はどうしようか?と悩んでいた。
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意を決して、自宅に帰る人たちが出始めてきた。
会社からは、非常食の配給が始まる。
しばらくしたら、都営地下鉄が運転再開するというニュースが流れたので、会社から歩いて行くことを決めた。
途中の道路は渋滞し、自宅まで歩いて帰ろうとする人たちで、いっぱいだった。
会社にいるとき、東京タワーの先端が曲がったというニュースを見たが、実際東京タワーの先端部分のライトアップが消えていた。
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なんとか、電車に乗り込み、当日中に自宅まで帰ることができた。
自宅近くのスーパーは、早々に店じまいしていたようだし、コンビニでは食料品などがなくなっていたと聞く。
会社に泊まった人もそうだし、移動の途中で足止めを食らった人たちなどが心配だった。
自宅に帰ってから、落ち着いてテレビのニュースを見ると…
どうやら、僕が考えていた以上に深刻な事態が、日本中で進行しつつあることがわかってきた。
あの、阪神淡路大震災で経験したように、被害状況がまったく掴めていないことに、この地震の恐ろしさを感じつつあった。
震災に関連して、今日の感じたことをメモしておく。
- オフィスでで強い地震では、必ずしも机の下に隠れることは得策ではない
- キャスター付きの椅子やそのほかの什器が地震により移動してきて、かえって危険のような気がする
- 交通機関が止まって帰宅困難になりそうと予想される場合、会社から出ずにとどまる方がよい。
- 事態が変わり、交通機関が動き出す可能性が残されてるのであれば、それを待っても遅くない
- 携帯電話は、多少の違いはあるが、キャリア問わず、まずつながらない。メールもつながりにくいときが多い
- 確実なのは、インターネット経由のメール。携帯電話のメールも繋がらないウィルコム同士はつながる。
この経験を将来に生かすことは、とても大事だと思う。