365日のシンプルライフ/ペトリ・ルーッカイネン (出演, 監督)
- 365日のシンプルライフ
- 監督:ペトリ・ルーッカイネン
- ビクターエンタテインメント 2015/05/23
たまたま、フィンランドというキーワードで録画されたドキュメンタリー映画だったが、せっかくなので観てみることにした。
いきなり、若い全裸の男性が、部屋を飛び出し、雪の積もる街を駆け抜けて行くシーンから始まる。
彼は、失恋をきっかけに、すべてのものをレンタル倉庫に預けて、1日1つだけ倉庫から自宅に持ってくることができるというルールを自分に課したのだ。
全裸から始まるっていうのもすごいが、捨ててしまうのではなく、レンタル倉庫に預けておく…っていうのは、ありそうでなかった方法だ。
まったく何もない状態から、本当に必要なものだけを厳選していくのだ。
新たに加わったモノが、ひとつ加わるだけで、それに応じて生活の質が急激に上がっていくことを実感して、彼は興奮する。
しかし、ある程度のモノが自宅に揃うと、意外とそれで十分と感じてくるようで、何日も倉庫に取りに行かない日が続くのも興味深い。
一般的なミニマリストたちは、このあたりの状態なのかもしれない。
大量のモノに囲まれた生活から一変し、必要十分な生活になった過程はよくわかったが、なぜ、たくさんのモノに囲まれてしまったのか、そしてなぜこれまでのような状態を脱することができたのか…みたいな、”モノとの対話”は、あまりなかった気がする。
中盤から後半は、どちらかというと、彼の祖母との関係や、新たに付き合うことになった彼女の存在など人間関係に焦点が移っていく。
とても面白かったが、焦点がぼやけてしまった感もあったのが、ちょっと残念だった。