5328 3月11日の旧仙台市立荒浜小学校
仙台駅近くで借りたレンタカーを運転して30分足らずで、最初の目的地に到着。
仙台市の震災遺構として見学ができるようになっている。
見学者は多く、かつて校庭だった駐車場にはすでに多くの車が止まっていた。
敷地の脇には、横倒しになった二宮金次郎像が展示されていた。
津波で流されてしまっていたそうだ。
津波が押し寄せた側の手すりや塀が破壊されていることがわかる。
津波により、2階の床から約40cmのところまで水没したのだ。
震災遺構では珍しく建物の中に入ることができる。津波の来る直前まで、たくさんの子供達がここで学んでいたと思うと、なんとも切なくなる。
1階は完全に水没し、2階は床近くに筋状の線が残っていて、ここまで海水が流れ込んだことがよく分かる。
スチール製の本棚がその筋を境に錆びている。
2階の教室は展示スペースとして活用されていた。
ニュースなどで小学校の屋上に逃げた児童たちを、ヘリコプターのホバリングで一人ひとり救助するシーンがあったが、それがここ。
当時からあったフェンスが、ヘリコプターの着陸をできなくしてしまったため、やむを得ずホバリングになったとのこと。
学習の場としては、非常に意味のある場所だと思う。
かつて、この眼の前には、住宅が広がっていたというのは、いくら写真を見せられてもにわかには信じがたい。
当然、そこには人々の生活があったわけで、津波はそれらすべてを流し去ってしまったのだ。
当時、小学校にいた児童たちが全員助かったということだけは、本当に良かったと思う。
小学校を後にして、海岸までやってきた。
深沼海水浴場は、仙台市唯一の海水浴場だったそうだが、震災以来閉鎖されている。
海岸べりでは、凧揚げ。
鎮魂の意味もあるのだろう。
震災の瓦礫などはほとんどが片付けられていたが、建物の基礎や鉄骨の一部などは、ところどころに残されたままだった。
石巻に向かう。