NA選書 天井大全/日経アーキテクチュア
東日本大震災では、津波や原発の被害が大きかった一方で、阪神淡路大震災と比べると、比較的建築物への影響は少なかった気がする。
建物以上に、注目されたのが、天井だった。
建物自体は軽微な損傷しかなかったのに、天井が大規模に崩落してしまったケースが多数報告されたのだ。
開港1周年の茨城空港で、記念行事を撮影中のテレビカメラが捉えた天井が崩落するシーンも印象に残っている。
本書では、東日本大震災での被害を教訓として、落下を未然に防ぐ仕組みを作ったり、落ちても安全な素材にするとか、場合によっては、そもそも天井をなくすといったさまざまな対策が紹介されている。
なお、これらの内容は、プロの建築関係者のための建築総合情報誌である「日経アーキテクチュア」の記事をまとめたものだ。
「天井」だけで1冊になるものか?と思ったら、天井の工夫で室温のムラを解消するという話で1章、ダウンライトや間接照明などについて1章が割かれ、すべて天井の工夫によって改善できるようで、奥が深い…
個性的な天井デザインとして、「サグラダ・ファミリア」とともに、浅草寺雷門の正面にある「浅草文化観光センター」が紹介されていた。
正直言えば「言われてみれば、確かに特徴的だったかも…」程度だった。
今後は、意識して天井を観察してみよう。