エレベスト/梅田 カズヒコ

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エレベスト―日本初のエレベーター鑑賞ガイド エレベスト―日本初のエレベーター鑑賞ガイド
梅田 カズヒコ

戎光祥出版 2008-06
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サブタイトルは「日本初のエレベーター鑑賞ガイド」

すでに取り壊されてしまった三信ビルのエレベータホールや、奥野ビルの手動式エレベータなど、いくつもの特徴的なエレベータを見てきたから、エレベータについては、多少は詳しいつもりだ。以前から関心がある分野でこういった本が出てくると、なんだか僕が後出しじゃんけんをした気分になってしまう。

「物理的に人や物を移動させる機械」というエレベータ本来の機能は、誕生以来まったく変わっていない。しかし技術の進歩やデザインの変化によって、その姿は大きく変わってきた。鑑賞のポイントはそこにあると思う。エレベータは見どころが多いにも関わらず、たしかにこれまで、エレベータを鑑賞目的で紹介する本はなかった。

ボタン操作という限られた機能でも、どうやったらキャンセルできるか?とか、回数表示や開閉ボタンのデザインや位置といったところも、見逃してはならない。

著者の梅田カズヒコ氏と、団地鑑賞の第一人者大山顕氏やデパートマニアの寺坂直毅氏との対談や現地視察などが写真で載っていたが、その写真でビックリしたのが、3人とも風貌がそっくりだったということだ。マニアな域に達する人は、どんどん似てくるということだろうか?

そして、さらに恐ろしいと感じたのは、僕もかなり似ているのではないかと思えたことだった。

すでに失われた三信ビルのエレベータホール
素晴らしかった三信ビルのエレベータホール

先日、久しぶりに実家のある川越に帰ったとき見た、川越マインのエレベータ。

いまとなっては、何の変哲もないエレベータだが、開店当時ガラス張りで店内を一望できるエレベータの出現に、感動したのを思い出した。

登場当時はかなりインパクトがあった、川越マインのエレベータ
川越マインのエレベータ

おもしろい本ではあったが、いかんせん、本自体のサイズが小さく、フォントも小さいので、僕には見にくかったのが残念だ。