戦争のルール/井上 忠男
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戦争のルール 井上 忠男 宝島社 2004-06 |
今のイラクの状況を考えるとちょっと信じられないけど、戦争にもちゃんとルールがある。それも、暗黙の了解というものではなく、きちんと明文化されているというから、ちょっと驚きだ。本書は例を挙げながら解説している。
平時では殺人は重大な犯罪なのに、戦争中は敵を殺すことは何の犯罪にもならない…場合によっては英雄にもなってしまう。で、実際に戦争犯罪を犯した場合には、国家を”処刑”するわけにはいかないので、結局犯罪を犯した個人が処罰されることになってしまう。結局は個人が責任を取らなければならない…という事実は結構ショック。
人質の禁止、生存に不可欠なものを保護、環境破壊の禁止、報復行為の禁止…なんて、きちんと戦争のルールを守っていったら、それこそ戦争なんてやってられないんじゃないかと思った。
意外なところで、赤十字のマークは本来赤十字社と関係がなければ使用してはならないと、ジュネーブ諸条約で決まっているらしい。日本国内の法律でもそのように決められているとのこと。改めて戦争のルールを見直して、今のイラクの状況を考えてみるのも悪くない。(2004/7/31)
【★★★★☆】 -04/07/31更新