3567 2012夏列車の旅~4/6・八戸から三陸海岸を南下

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昨日から続く列車の旅、2日目は八戸から。

八戸駅には、お目当ての「リゾートうみねこ」が止まっていた。

【八戸駅 10時16分発 普通リゾートうみねこ 田野畑 行き】

「リゾートうみねこ」は、車窓を楽しめるような大きな窓と、海側に向いたリクライニングシートを持つジョイフルトレインだが、あくまで、JR八戸線の普通列車なので、普通運賃だけで利用することができる。

だから、一般の地元の乗客もふつうに豪華な車両を利用している。

八戸を発車すると八戸市をぐるりと回り込む感じで、高架橋を進み、あとは海岸線沿いを走り、三陸海岸を南下していく。

南下するにつれて、どんどん、霧が立ちこめてきて、ついには、ほとんど景色が見えなくなってしまった。

自分の前に座っていたおじさんは、缶ビールを飲んでいた。

さっき飲み干したはずなのに、また、缶ビールを開ける音が…

足元を見てみると、ビニール袋いっぱいに、さまざまな銘柄の缶ビールが入っていた。

真っ白な外を眺めていたら、そのおじさんが話しかけてきた。

「今日は、何にも見えないねぇ…」

聞けば、これは、“やませ”…なのだそうだ。

この言葉を聞いたのは、学校で習ったとき以来かも。

前日から、八戸は涼しかったが、今日はもっと涼しく、、北海道やオホーツクからの冷たい空気がやってきているのはあきらかだった。

やませは、三陸をはじめ陸奥、南部地方に冷害や凶作をもたらすが、出羽、庄内地方では方策をもたらすことから、地方に伝わる民謡は、前者は暗い感じの、後者は明るい感じの雰囲気になっていることが多い…なんていう話を聞いた。

このおじさん…酔っぱらっているせいか、ろれつが回らず、何言っているのかわからないところがあったり、声量が異常に大きくて、車内に響き渡るようなしゃべり方だったのが、楽しい話ではあった。

せっかく話をしてくれているので、話の腰を折るのもまずい…と、車窓からの景色を写真に撮るチャンスがなかったのも、残念だったけど。

ふと、気になる光景が目に止まった。

列車の交換待ちで、止まっていた駅で、そこの駅舎が、かつて貨物列車の最後尾に必ず連結されていた車掌車だったからだ。

降りてみたかったが、予定が大幅に狂ってしまうので、断念…残念。

そんな、こんなで、あっという間に、久慈駅に到着。

【久慈駅 12時4分着】

JR八戸線は、ここまで。

ここからは三陸鉄道北リアス線となる。

 

 

 

跨線橋を渡ると、三陸鉄道の久慈駅に出た。

ホームをそのまま進むと、JR東日本八戸線の久慈駅に出るようになってるみたい。

発車までちょっと時間があったので、駅をウロウロして写真を撮ったり、切符を買っていたりしてたら、時間が無くなってきてしまった。

終点でも精算はできるけど、ここで三陸鉄道の乗車券を購入したりした。

切符は北リアス線の終点である宮古までは買えず、途中の田野畑まで。

前日までに予約した人は、車内で、特製弁当を買うことができる。

ほたて弁当は、1050円。

見るからに豪華で、実際にとても美味しかった。

これで1050円はお買い得じゃないか?

 

【久慈駅 12時30分発 普通リゾートうみねこ 田野畑 行き】

ここからは、三陸鉄道北リアス線に入る。列車は、定刻通り発車。

八戸線と比べて、建設時期が新しいため、トンネルが増える。

車掌さんの車内放送でも、津波の被害について紹介された。

車掌さんが放送していた乗務員室のある最後尾の車両に乗っていたので、追加で?個人的にも、いろいろと教えてもらい、津波のすごさを実感させられた。

駅の砕石が新しくなっているのは、ここに海水が流れ込んでしまったため交換したためだそうだ。

この駅は、海から30mもの高さがあるのに、ここまでせり上がってきたというのだ。

いくつものトンネルを抜けるとがれきの山も見えてきた。

しかし、はっきりがれきの山とわかるのは、ここだけで、それ以外は、かなりすっきりとしていた感じがした。

震災、津波から1年半が過ぎ、がれきが片づけられてしまうと、その光景が元からのものか、被災したためなのかが、わからなくなる。

車掌さんからの解説があって、初めて、ここが、以前は建物が並んでいたところだったということがわかるくらいだ。

いくつものトンネルをくぐり抜ける。

途中で、“秘境駅として知られる…”と紹介された白井海岸駅。

3両編成のリゾートうみねこは、僕の乗っていた最後尾の車両はホームに入りきらず。停車時は、トンネルの中だったので、走り抜けたところで写真を撮った。

【田野畑駅 13時20分着】

北リアス線の一方の暫定終着駅だ。

山間にひっそりと佇む駅で、震災がなければ、ここが終着駅になることはなかっただろう。

八戸や久慈からの列車は、ここで折り返していく。

レールの錆が寂しかった。

前日に予約した「ザッパ船アドベンチャーズ」に参加するため、迎えの車に乗った。

つづく

Posted by ろん