謎解きはディナーのあとで/東川 篤哉

■文学・評論,龍的図書館

謎解きはディナーのあとで
東川 篤哉

小学館

 

どうしてもすぐに読みたい本でない限りは、とりあえず図書館に予約をしておく。

人気の本であれば何ヶ月も待つのは当然だ。

ある日、突然、連絡が来たのは、思い出せないくらい…少なくとも半年以上前…に、予約していた本だった。

その間、テレビドラマ化されていしまい、本書に載っている話は、すでに、すべて知ってしまったという状態となってしまった。

世界的な企業グループの総帥の令嬢、宝生麗子が、なぜか東京都国立市で所轄の刑事をしている。その執事、影山が、なぜか妙に推理力に長けていて事件を次々に解いていく。

見ものは、名台詞?「お嬢様の目は節穴でございますか?」に代表される執事の毒舌や、宝生麗子の上司にあたる風祭警部とのやりとり。

宝生麗子を演じた北川景子、影山を演じた櫻井翔や風祭警部を演じた椎名桔平を、思い出しながら読んでしまったのは、先述のようにテレビドラマを見てしまっているからだけではなく、テレビドラマが、かなり原作に忠実だったというせいもある。

ちなみにテレビドラマ版では、麗子と影山が、犯人と直接対峙する場面があるが、原作ではそれが一切なかった。

独特のキャラクターや、これまでにない設定などはおもしろいが、ちょっと気になることが…

たとえば、ある話で、AC100V(コンセント)で動く時計が、謎解きの鍵になるのだけど、いまどき、停電した時間だけ遅れてしまう目覚まし時計を使っている人がどれだけいるだろうか?

…肝心な?推理小説の設定については、ところどころで無理があって気になってしまったが、そういうことも、あえて“ネタ”として認識して、あまり細かいことは考えないほうが楽しめる。

ちなみに、いまの図書館での順番待ちは、550人…。

Posted by ろん