3167 研修にて
この3日間(16日~18日)、会社からの指示で研修を受けることになった。
ときどき1日や半日程度の研修ということはあるが、3日間は初めてだった。
また、こういった研修では、よくグループに分かれて演習を行うことも多いのだが、今回は3日間、連続して座学というのも、これまでにないものだった。
会場は、田町駅近くにあって、休憩室から見る外はふだん見慣れない景色。東京モノレールがビルのそばをかすめている。
この研修の受講者の数は、10人程度。
年齢層は僕よりちょっと若い人の方が多かったが、年配の方もいたし、女性もいた。
講習の内容は、比較的自分の仕事の携わっている仕事に近いものだったので、それほど難しくもなかった。
しかし、最初のうちは、何とかついていけたものの、半日もすると、教えられる分量の多さと、似たような言葉の多さで、徐々に講師の言葉が頭に入ってこなくなり、お昼を食べた後の午後には、眠くて仕方がなかった。
また、一段落つくたびに、講師が、
「何か質問はありませんか?」
…と聞くが、誰も聞く者はいなかった。そりゃそうだろう。みんな半分寝ているのだから。
講師もこういう状況を察してか、休憩に入る前に課題を出して、休憩後、受講者を指名し答えさせていた。
最初のうちは眠かった僕も、しばらくすると、寝てなんかいられないと…しっかりと講師の話に耳を傾けていた。
ふたたび、課題が出された。休憩後、僕が指名されたが…
間違えてしまった。
ちょっと恥ずかしかった。寝ていた人にも質問が及ぶ。ふん、どうせ答えられないだろう…と思ったら…
「正解です」
え…なんなんだ…?まぁそういうこともあるだろう…。
「何か質問ありますか?」
なかなか質問はないだろう…と思っていたら、突然、さっきまで寝ていたはずの別の男性が、質問をしたのだ。
しかも、やたら的確な質問を…
なんということ! 実は聞いていたのか?
僕は、ずっと起きて、講師の説明を聞いていたはずなのに…
研修3日目の最終日は、雨だった。見慣れない景色を、何枚か写真に撮りながら、研修会場に向かう。ものすごい数の“傘の群れ”や、車道と歩道の間にある縁石が、蛇か何かの頭に見えるな…などと思いながら。
3日間の研修後、模擬試験を受けたら、とりあえず何とか合格だったので、少しだけ気分が軽くなった。