2781 箱根彫刻の森美術館
箱根登山鉄道に乗って、箱根彫刻の森美術館へ。
入口のタクシー乗り場では、まるで猫がタクシーを待っているようだった。
実はこれまで、2~3度来たことがあるが、なぜだか、そのときの記憶がほとんどない。それはおじゃこも似たような感じだったらしいが、それだけ“新鮮な感じ”で歩くことができた。
ロマンスカーもバスや登山電車もそれなりに観光客の姿を見かけたのに、美術館はかなり人が少なく、静かだった。
天気がよくて、作品がよく映えて、生き生きしている感じだった。
なかには意図がわかりにくいものもあるが、多くの作品は、作者の思いが伝わってくるような感じで、見ていてとても楽しかった。当然ながら作品は、3次元なので、見る方向によって、その雰囲気を大きく変えるところもおもしろい。
作品ではないけど、ミクロネシア・ヤップ島の石貨が置かれていた。
石のお金って聞いたことがあるけど、実際に見たのは初めてだったかも。身長15cmのダミーと大きさを比較。
これだけ大きいとどうやって運ぶのか?と気になったが、解説によれば、移動はせずに名義だけ換えるのだという。
自分自身が手元に所有せず、名義を換えるなんて、電子化された株券みたい…と思ってしまった。
ふと、足元を見ると、足跡らしき黒い影が見えた。その名もズバリ“足跡”という作品。どこからともなく始まっていて、どこかへ消え去っていた。
“星の庭”という作品は、星の形をした巨大な花壇に、人間が入れるほどの深さがあって迷路のようになっている。
実際に歩いてみると、位置関係がわからなくなって、軽く迷いそうになる。
彫刻の森といえば、ピカソ…というくらい、すっかりおなじみのピカソ館。
来たことがあるはずなのに、全く記憶がなかったというのは、どうしたことか?
内部は撮影禁止なので、ここでは紹介できないが、かなりの陶芸作品が展示されていて、晩年、ピカソが陶芸に傾倒したことを強く印象づけられた。
今回一番圧巻だった作品が、「幸せを呼ぶシンフォニー彫刻」 見渡す限りのステンドグラスに、息をのんだ。
螺旋階段を上がりながら、ステンドグラスに隠された絵を読み解いていく。
螺旋階段を上がりきると、屋上に出た。見晴らしはとても良い。遠くに登山電車が見えた。
塔を降りて、さらに展示作品を見学。
さきほどの足跡の続きがあった。壁の道が描かれ、ずっと先まで続いているようになっていたのがおもしろい。
まだ時刻は16時前だというのに、山に太陽が隠れてしまい、どんどんと薄暗くなってきた。
ひととおり展示を見学して、彫刻の森美術館をあとにしたのは、16時半ごろとなった。
彫刻の森美術館を出ると、入るときにタクシーを待っていた猫たちが、まだタクシーを待っていた。