バーコード革命/デザインバーコード社
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バーコード革命 デザインバーコード社 アーティストハウスパブリッシャーズ 2005-03 |
ふだん見慣れたバーコード。
ここは機械が読み取る場所だから人間とは相容れない…と思っていたが、この本を見ると、そのイメージは大きく変わる。
太い線と細い線が並ぶデザインをどう生かすか、ページをめくるたびに、その発想と想像力の豊かさには驚かされる(実際のバーコードはこんな感じ)
さまざまにデザインされたバーコードも面白かったが、ひとつひとつのバーコードに書かれたコメントもしゃれが効いてて、なかなか面白い。
栄養ドリンク向けデザインバーコードでは、バーコードを崖に見立てて、落ちかけた人を救う絵になっている。そのコメントでは…
「それにしても「一発!」の人は、よく災難にあうなぁ。」
ファスナーを示すデザインバーコードは、バーコードが半分に切られていて、そこをファスナーが横断している。そのコメント…
「女は上げようとする。男は下げようとする。」
刑事ドラマ用?のデザインバーコードてば、バーコードを寝かねてブラインドに見立てて、そこの隙間から目が見えている。太陽にほえろ!のイメージ。そこでのコメントは…
「ブラインドが、善と悪の境界線でした。」
少年犯罪を表すデザインバーコードでは、バーコードをイラストの少年の目に当てて目隠しにしている。コメントは、
「加害者も被害者も未成年。大人はどこにいるのでしょう。」
本書の冒頭でも紹介されているが、以前、サントリーの“燃焼系アミノ式”で実際に採用され、ペットボトルにデザインバーコードが使われているのを見たことがある。
こうしたデザインバーコードがより広まっていくと思っていたが、その後あまり見かけないのはどうしたことか?
実は、こうしたデザインバーコードの、デザイン料金が実は結構な費用がかかるものなのか? それとも、世の中はかなり保守的で、バーコードにはバーコードらしい形であることが暗に求められているのだろうか? たしかに、バーコードがデザイン化され、パッケージに紛れてしまうと、レジで店の人がバーコードを探すのに手間取ることは予想できるから、意外とそういうものなのかもしれない。
でも惜しいな。もっと広まったら楽しいのに。