男はなぜパンツ一丁で郵便局に押し入ったのか/産経新聞社会部取材班
男はなぜパンツ一丁で郵便局に押し入ったのか トンデモ裁判傍聴レポート 産経新聞社会部取材班 小学館 2008-11-28 |
たまたま本屋でこの本を見かけたのだが、このタイトルには誰でも目を惹くだろう。
インターネットの50件弱の裁判を取り上げ、検察官、弁護士、裁判官、被告たちとの会話を中心に、法廷の様子が再現されている。
マスコミで大きく取り上げる事件ではなく、どちらかというと妙な事件ばかりだ。それゆえに、どうしてこんな事件が起きたのか?とか、犯人(被告)はどう思っているのか?と言った疑問がわいてくる。
疑問に対する答えがはっきりしたら、すっきりするかというと、必ずしもそうではない…ということが、この本を読みながら感じた。事実が分かっても、かえって混乱したり、厭な気分になることも多いのだ。それは裁判官も同じのようで、たまにはキレたり、怒りに震えたりすることもあるようだ。
本書では、先述のように裁判におけるやりとりと事件の背景などの解説を経て、傍聴記録のそれぞれの最後のページに判決内容が書かれている。
まもなく裁判員制度が始まろうとしているが、このときのイメージトレーニング…とまではいかないまでも、ここで語られる犯罪の内容や被告とのやりとりから、その量刑がどの程度であるのかを、自分なりに判断してみるのもいいかもしれない。
なお、本書は「msn産経ニュース」サイトで不定期掲載されている記事を書籍化したものだそうなので、類似の記事はサイトで読むことができる。
ちなみに、本書のタイトルとなった理由について、被告はこんなことを述べている。
「所持している服が2着しかなく、服を着て反抗に及ぶとすぐにバレる。裸でやった方が話題性もある。」
うーん…これが被告なりの理由だそうだ。