2309 なぜシニアばかり優遇?
これは池袋駅にて |
3日間乗り放題で12000円
JR東日本全線、函館、金沢、福井まで、新幹線・特急含めて3日間乗り放題というこのきっぷは、最近駅のあちこちで宣伝されている。
しかしこれは「50歳からの会員限定」と書いてある。
JRグループでは、以前から「ジパング倶楽部」という男性65歳以上、女性50歳以上向けの会員組織があって、入会すると運賃や料金が割引になる特典がある。JR東日本はさらに「大人の休日倶楽部」という独自の会員組織を作っていて、こちらは男女ともに50歳以上が対象となっている。
このきっぷは「大人の休日倶楽部」向けのものなのだ。
50歳代より前の世代が、これと同様のきっぷ「三連休パス」を買おうとすると、とたんに2倍以上の26,000円に跳ね上がる。しかも前者は、特急等の座席指定が6回もできるのに対し、後者は4回だ。
この差はなんだろう?
安い値段で商品に関心を持ってもらうというのは、客の注目を惹く常套手段である。当然どの世代にもそれなりの効果はあるだろうが、それをなぜしかしある程度年齢を重ねたシニア世代に限定するのか疑問を感じる。
一般的にこの世代は、子育てが終わり少しずつ余暇を楽しんでいる…なんてことが言われている。ある程度、生活にゆとりも出てくるという世代だ。そうした世代に照準を合わせるという戦略なのだろうが、そんな世代に極端な大安売りというのは必要なのだろうか?
僕は、逆にむしろもっと若い世代にもっと鉄道に関心を持ってもらう施策が必要なのではないかと思う。若者が自ら鉄道を選択する時代はとっくに終わっている。かつてのように苦労しながら“大垣夜行”で出掛けるのは、ごく一部の若者に過ぎない。
ただ関心がないわけではなく、きっかけがないだけだと思う。思い切った値段設定や興味深いプランなどを通じて「鉄道で旅するって楽しい」というきっかけを考えて欲しいと思う。