つくば科学万博クロニクル/洋泉社MOOK

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愛知万博がきっかけで、万博について知りたくなり、いろいろ調べてみてたどり着いたのがこの本。中央区立図書館から入手。

僕が言ったことのある唯一の国際博覧会であるつくば科学万博は1985年3月から9月にかけて開催され、のべ2000万人以上の人たちが訪れた。そのうち僕は3回行っている。ひとつのイベントに3回も足を運ぶなんて、そうめったにあるものじゃない。それくらい楽しかったのだ。

そんなつくば科学万博を振り返り、当時の関係者から話を聞くというのが本書の趣旨。

万博が開催される当時の時代背景、パビリオンや関連グッズの紹介、筑波山神社と万博の深いつながりなど、あまり他では見られない話が満載で楽しめる。HSSTやジャンボトロン、NECパビリオンなどの誕生秘話なども興味深い。

全体を通してみると「人間・居住・環境と科学技術」というつくば科学万博の統一テーマは、ほとんど具現化されて「いなかった」ことがよくわかる。テーマに「環境」という言葉が入っているものの、現在と比べてその比重は比べものにならないほど小さく、科学万歳!といった当時の空気が伝わってくる。

(2005/6/1) 【★★★★☆】 -05/6/5更新