西の魔女が死んだ/梨木 香歩

■文学・評論,龍的図書館

4101253323 西の魔女が死んだ
梨木 香歩

新潮社 2001-07
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タイトルはなんだか物騒だけれど、読み進めていくうちに、そんなタイトルの本だということを忘れてしまう。中学校に馴染めなかった、主人公まいが祖母と一緒に暮らす。その間に体験することは、これといって特別なことでも何でもないのだが、まいの気持ちに少しずつ変化が出てくる。

本の中では、これといった大きな事件が起きるわけでもなく、ゆっくりと時間が進んでいく。このおだやかさが、とても新鮮で心地よい。

本書は、新潮文庫の読者アンケート第一位に選ばれている。文庫の帯には「最後の3ページ、涙があふれて止まりません」と書かれていた。あふれて止まらないというほどではなかったが、名古屋に向かう新幹線の中で、掛川駅を通過するころに、涙が出てきてしまった。

(2003.3.31) 【★★★★☆】 -06/04/07更新