1774 穿った見方かもしれませんが

定点観察

こんなニュースを見た。

相田みつをの詩、携帯で配信 世代超え人気、7万人登録

書家で詩人の相田みつを(1924~91)の温かみのある優しい詩や書が、日替わりで携帯電話にメールで配信される。そんなサービスが、若者から高齢者まで幅広い世代で人気を集めている。

相田みつをは嫌いではないけれど、こうしたニュースを見ると、彼を利用して「儲けてやろう」という風に見えてならない。まぁ個人的に何か迷惑を被っているわけではないのだが、商業主義的な展開を見るたびあまりいい思いはしない。

記事によると利用料が210円、登録者は全国で7万人。毎月の売り上げは実に1470万円! もう10年以上も前に亡くなった相田みつをが、毎月毎月膨大な利益をもたらしてくれているのだ。

他にも「パソコンの壁紙」なんてのも売られているのを見つけた。10枚セット800円。しかも1年の期限付きと決して安くない。

今日は新年会…これは、お店の天井です
今日は新年会
(本文とは全く関係ありません)

有楽町の東京国際フォーラムにある「相田みつを美術館」でも、さまざまな関連商品を販売しているし、その一部はインターネットでも購入することができる。その種類の多さにもびっくりするし、それぞれなかなかいい値段だ。やはり?美術館は相当な利益を得ているんだろうな…

ちなみに、この美術館は相田みつをの息子が館長を務めているが、考えてみればこれほど楽な商売はないように思えてくる。父の残してくれた莫大な遺産を生かしつつ、父との思い出話をして歩けばいいのだ。

相田みつを自身は、こうした状況をどう思っているのだろう? これが彼の望んでいる姿なのか?…などと、全く無関係な僕が考えても仕方がないのだが…でも、彼の言葉を本当に必要とする人たちに伝えるために、もう少しリーズナブルな価格設定にするとか、利益を何らかの形で還元するとかしないのかな?…なんて思う。

以前「龍的思考回路」で相田みつを美術館の紹介をするため、入場券の半券を掲載する許可を得ようと、美術館に相談したことがある。結果は「一切掲載は認めず、さらにリンクであっても審査したい」という旨の回答をもらったことがある。そうした面からも、もうちょっと版権には相当厳しい考えあることが垣間見える。当然と言えば当然なのかもしれないけど。

Posted by ろん