1464 汐留点描~エレベータ

定点観察

 このビルのエレベータは、新しいだけあって動き始めるときのフワッとした感覚があまり起きず、とてもなめらかだ。エレベータの中には何のためにあるのかわからない液晶モニタがあって、何のために表示してるのかわからない謎の環境映像が流されている。映像は六本木ヒルズとか夏の都心の交差点や空撮など、目的がよくわからないものばかりだ。不思議に思わせることが目的なのか?

 さすがに「本日はご苦労さまでした」などと余計なことを言わないものの、「上へ参ります」とか「5階です」といった案内が英語でも行われる。たとえば「ドアが閉まります」のあとに…

 ドゥワーズ、アゥァー、クゥロージング  (Doors are closeing …と聞こえる)

 その英語が妙に流暢で、まるで英会話レッスンのお手本みたいな感じ。これまた余計な気がしてならない。英語しかわからない人だって、上へ行くのか下へ行くのかくらい表示ランプを見ればわかるし、ドアが閉まるのくらい言われなくたってわかるってもんだ。ここまでお節介なエレベータというのも、日本以外ではそうお目に掛かることもあるまい。流暢な話っぷりが自動で流れるという技術があるってことはわかるが、無理にここで使わなくてもいいんじゃない?と、「フィフスフロゥワー」と聞くたびに思うのだった。

Posted by ろん