あらしのよるに〈1〉/きむら ゆういち
あらしのよるに〈1〉 きむら ゆういち 講談社 2005-12 |
こんなにドキドキする絵本を見たのは初めてかもしれない。
嵐の夜、オオカミとヤギが雨宿りした小屋に居合わせてしまったことから始まったなんとも不思議な物語。真っ暗な小屋の中で、お互いを仲間と誤解してしまう。まさか食うか食われるかの関係だとは、本人?たちも気付かなかったのだ。特殊な環境下に置かれたことで、ありえない友情が生まれたのだ。ただし、これは“特殊な関係”であり、常に微妙な危うさが漂う。そんな危うさが、ページをめくる手に力が入ってくるのかもしれない。
すでに絵本でずっと前から発表されていた作品らしいが、映画化されたことによってさらに有名になったらしい。続編がとても気になる。
傍から見たらとても危うい関係なのに、本人達はいたって平気。でも、本人達だって実はお互い微妙に気を遣っている…実際の世界でも似たようなことはある。心当たりありませんか?