1697 最後の一個

定点観察

 18時過ぎくらいに首の痛みを病院で診てもらってきた。結局はそんな大したことはなく、飲み薬と貼り薬をもらって19時半過ぎに会社に戻ってきた。今日が金曜日だったこともあってか、あまり人が残っていなかった。

 夕方から夜になってくると、ちょっとお腹が空いてくるもので、誰からともなくお菓子をちょっとずつ分け合うなんてことがある。そういうこともあって、今日はお菓子を買っておいてあった。でも周囲に人がいなかったので、一人でちょっとずつお菓子を食べはじめた。

 お菓子のせいなのか、周囲に人が少なかったせいか、ちょっと仕事がはかどった感じがした。

 だいぶ食べてしまったなぁ…と思いながら、お菓子の箱に手を伸ばすと、もうひとつも残っていなかった。仕事に意識が集中して、最後の一個を気付かずに食べてしまったのだ。とても残念な思いでいっぱいになった。

 お菓子を食べるときいつも思うのが、最後の一個は、最後の一個として味わいたいということだ。この感覚はどれだけの人に理解してもらえるかわからないのだけれど、最初の一個目と二個目、そして最後から二個目、そして一番最後は、同じお菓子でも意味合いが違うのだ。特に最後の一個は、もう残りはないのだという思いで食べたい。

 どうしてそのような感覚を持ちたいのかはよくわからないのだが、無意識にそうした感覚で食べていることは間違いなく、最後の一個と気付かずに食べたさっきの自分を恨めしく思うのだ。たぶんこの感覚は、自分の他の何かの感覚とつながっている。それが何かがわかると、もう少し自分の性格が見えてくるような気がする。

 結局、会社を出たのは23時を回っていた。今週一週間、おつかれさまでした。

Posted by ろん