1654 NEET

定点観察

 今日で旅行先で夜の7時くらいからテレビを見ている。ある番組で”NEET”(Not in Employment, Education or Training)について取り上げていた。NEETとは、職に就かず、学校等に所属せず、さらに就労に向けた具体的な動きをしていない人たち、特に若者を指す言葉で、最近よく聞く言葉だ。

 彼らを取り上げる番組や記事で、必ず見聞きするのが「自分のやりたいことが見つからない」という言葉だ。いつも思うのだけど、この言葉を本気で取り上げるマスコミはどうかしている。果たしてどれくらいの人たちが、自分のやりたいことを見つけて、それを仕事にしているのだろうか? やりたいことと仕事か一致しない人が圧倒的なんじゃないだろうか?

 そもそも仕事に就く前から仕事内容を想像することは、相当難しいと思う。デザイナーとか技術者といった技能を売る商売とか、お店やホテルとかの従業員や店員、鉄道やバスの運転士といった”最終消費者”の目から見える、わかりやすい仕事くらいならば、ある程度想像つくけど、今のような多数のサラリーマンが就いているような仕事をやりたい!なんて、誰が思うだろう?
 僕もその中の一人。別にいま就いている仕事をやりたくて勉強してきたわけじゃない。極端なことを言えば、結果的に採用されただけのこと…なんて。
 もし僕が今の時代に仕事を探して見つからなかったとしたら…果たして就職できただろうか? いま仕事ができているのは、たまたま今の会社に拾われたからだろうなと思わずにはいられない。だって、当時、そんなにやる気があったとは思えないもの。
 たまたま似たような人たちが増えて、NEETだなんて名前が付けられてしまい、クローズアップされてしまった若者は、ちょっと気の毒かも。

 でも一番忘れていけないのは、「仕事をしなければならない」という意思だ。やりたいことが見つからないということではない。

Posted by ろん