628 8月9日

定点観察

また今年もこの日がやってきた。1945年8月9日。長崎市に史上二番目にコードネームに「ファットマン」の名前を持つ原子爆弾が投下された日。ウランを使用した広島型と異なり、プルトニウムを使用した初めての原爆となった。これは世界初の原子爆弾で使用されたものと同じタイプのものだった。父の生まれが長崎だったということもあり、やはりこの日は僕にとっても特別に感じる一日だし、以前から関心がある。◆僕にとって、広島型原爆には「リトルボーイ」、長崎型原爆に「ファットマン」という名前というかあだ名というかを付けること自体が、妙に薄気味悪さを倍増させた。◆1983年。冷戦まっただ中に公開された「ザ・デイ・アフター」は、確か予告しか見ていないのに、かなりショックだった。日本に落とされたらどうしようとか、本当に第三次世界大戦が来たらどうなってしまうのだろうと真剣に悩んだし、夢にも出てきたりしたものだ。その後「長崎原爆資料館」に行ったのも僕にとってはかなり衝撃的なことだった。あまりの悲惨さに言葉もなかった。◆スミソニアンアメリカ歴史博物館には「ファットマン」の実物大模型があったが、そこで起こった事実を淡々と伝えるにとどまり、原爆の悲惨さを伝えるにはあまりにお粗末と言わざるを得ない内容だった。(原爆という点で)加害者と被害者ではこれほどものの見方が違うモノかと痛感させられた。◆ともすれば、風化しそうな、人間の愚かさを伝えるためには、悲惨さを目で見せるということはかなり意味のあることだと思う。トラウマになっちゃいそうだけど。今年の長崎市長の平和宣言でも言っていたけれど、一度、ブッシュ大統領も見たらいい。1945年8月9日午前11時2分に何が起きたかという事実を知ったらいい。

Posted by ろん