1149 事件

定点観察

昼食の帰り。会社の建物に戻る途中で、その事件は起こった。今日は風が強かった。コンビニの前に止めてあった自転車が倒れた。大きな音がしたので、電動機付き自転車かなと思ってみてみるとそうじゃなかった。でも、ただ自転車が倒れただけの音じゃないような気がした。その音に合わせるかのように、子供の泣き声が聞こえた。不思議に思いながら、よく自転車を見てみると、自転車の隙間から小さな足のようなものが見えた。「あれ?」と思い、さらによく見ると、自転車のハンドルに取り付けられた座席に子供が乗っていたのだ。あわてて自転車のところに駆け寄り、僕と同時に駆け寄った人たちと一緒に自転車を立て直した。コンビニで買い物していた母親が外の騒ぎに気がついたのか、すぐに店から飛び出してきた。幸い、なぜか子供はヘルメットをかぶっていたので、目立った怪我はしていないようだったけど、相当怖かったことだろうな。不安定な前輪に取り付けられた座席にベルトでしっかり固定されていたのだから。当然倒れる瞬間どうすることもできなかったのだ。自分がその立場に置かれたと思うだけで恐ろしくなってくる。きっと母親は混雑した店内を避けるつもりで子供をそのままにしたのだろうけど。目を離した隙に何が起きるかわからないのだから、大変だけど子供からは決して目を離さないように…というよい教訓になったことだろう。(2004.3.11)

Posted by ろん