964 大停電で思ったこと

定点観察

北米東部で起きた大停電は、老朽化した送電システムにあるのではないかとの見方がある。特定はできていないが、老朽化しているという事実は間違いない。老朽化の原因としては、アメリカは電力の自由化で、電力会社は3000を超え、需要家は電力会社を自由に選ぶことができる。必要以上に効率化も進んでしまったらしい。自由化が進んだ結果、肝心の送電する部分への投資を怠る状況を招いてしまったのではないかとニュースで聞いた。◆似たような状況を思い出す。電話だ。Yaho!BBをはじめとするIP電話の台頭で、既存の電話回線は、ただデータが通り抜けるだけの存在になりつつある。でも、通り抜けるだけの電話線を維持するためのコストは当然かかるわけで、そのコストはちゃんと賄えるようになっているんだろうか?携帯電話が増えて、公衆電話がどんどん減っている。いざというときのことを考えると、それはそれで不安になる。◆自由化は決して間違った方向じゃないし、今後も進めていくべきだとは思うが、手順や目的、トラブルに対する対処方法なども十分に検討していかなければならないんじゃないかと思う。たぶん自由化で一番手間のかかる部分は、もしかしてそのあたりなんだと思う。それをどれだけ怠らずに検討できたか?という結果が、こうした大停電のような事態を招くかどうかという答えになる。

Posted by ろん