432 夢みる飛行船

定点観察

自宅の近所に図書館があるおかげで、ちょこちょこ図書館で気になった本を借りている。昨日から読み始めた本が、「夢みる飛行船~イカロスからツェッペリンまで」(天沼春樹著/時事通信社刊)というもので、そのタイトルの通り、飛行船に関して書かれいる。飛行船といえば、ヒンデンブルク号の悲劇を思い出す人も多いと思う(僕もそうだった)が、実はあの事故では、乗客の3分の2は助かっているという事実をどれだけの人が知っているだろうか?あまりにあの事故のイメージが大きいがために、すっかり時代から取り残された感のある乗り物となってしまった。実際に、飛行船について興味をもって調べてみようと図書館に行ってみたら、なかなか見つからず、実際es!booksでキーワード検索すると、飛行機が271件(旅客機で54件)あるのに対して、飛行船は、わずか30件しか出てこない。飛行船の進化は、そのまま人の空へのあこがれであった・・・というところから、この本は始まる。先人たちが考えた、現代社会から考えればかなり突飛とも思われる形や動力源に驚かされる。この本はイラストや写真も多数収録されているので、「ヲイヲイ、こんなの飛ぶわけねぇーじゃん」とひとり突っ込みたくなる。飛ぶかどうかって言うよりも、そのイメージが大事だったんだろうなぁ・・・空にも人間にも優しい乗り物である飛行船を改めて見直すいいきっかけになる一冊。

Posted by ろん