8050 展覧会「NEGORO 根来 — 赤と黒のうるし」

サントリー美術館で開催中の展覧会「NEGORO 根来 — 赤と黒のうるし」を鑑賞。まず、この”根来”について…
事前に検索した結果によると、根来は、黒漆による下塗りの上に、朱漆を上塗りする漆器の塗装技法やその漆器そのもののことを指すのだそう。
名前の由来は、鎌倉時代に高野山から紀伊国根来寺に移ってきた僧徒が、寺内で使用する漆器を制作したのが始まりという説があるとのことだが、実際には、平安時代には朱漆を塗った器はあったので、名前が後から付いたのだろう。
最大の特徴は、使用により表面の朱色の漆が剥げて、下地の黒漆が部分的に露出するところだそうだ。
そういえば、ときどき朱色が”剥げた”状態の漆の器を見たことがある。
劣化で剥げたものなんだと思っていたが、けっしてそうではなく、これこそが”趣”であり”侘び”や”寂び”なのだ。
冒頭で、根来が仕上がるまでの26工程を紹介していたが、そのうち実に19を占めるのが下地の処理だった。
つまりはそれだけ堅牢なものであって、下地が見えたとしても、性能にはまったく影響するものではないことがわかる。
さまざまな根来が紹介されていたが、正直、なかなかその”よさ”とか”価値”みたいなものを感じるのは難しかった。

今回は、入口以外一切の写真撮影が不可だった。器の作品展示とは直接関係がないが、根来が登場するという絵巻が「福富草子」が紹介されていた。
「放屁の芸で成功する翁とそれを真似て失敗する翁の物語」と合ったから、気になって検索してみた。
”放屁芸”を神から授かり一財産をなした高向秀武という翁、隣りに住む福富はそれを羨み、”放屁芸”を伝授してもらおうと秀武に弟子入りするが、なんと秀武が嘘を教える。
”放屁芸”を会得したと思った福富は、貴族の屋敷で”放屁芸”を披露しようとしたら、おならどころか、下痢で便を撒き散らすというとんでもないことをやらかす。
当然、福富罰せられるわ、妻にひどく罵られるわ、散々な結果となる…という話。
ほんと今も昔も、みんな屁のことが大好きなのだ。