7814 第12回 郷さくら美術館 桜花賞展

博物館・展覧会,芸術・デザイン

郷さくら美術館
郷さくら美術館

中目黒にある、郷さくら美術館で開催中の「第12回 郷さくら美術館 桜花賞展」を鑑賞。若手の日本画家に、桜をテーマとした作品制作を依頼し、授賞作品の選定と一般公開を行うという、コンペティション形式の展覧会だそう。

評価は別になんとなく気になった作品を挙げていくと…

古山結《顔を近づけて、匂いを嗅ぐ》
古山結《顔を近づけて、匂いを嗅ぐ》

古山結《顔を近づけて、匂いを嗅ぐ》
パッと見た感じは掴みどころのない雰囲気だったが、タイトルを見て、なるほど…と思った。
これは、まさにタイトル通りの状態で見た桜なのだ。
こんなモチーフは見たことはなくて、とても新鮮に感じた。

前川祥子《花明かり》
前川祥子《花明かり》

前川祥子《花明かり》
月明かりに照らされた満開の桜を見上げるとなんだか切なくなるのは、以前から感じていたが、この作者も同じようなことを思っていたようだ。「昼間の圧倒されるような春爛漫の輝きとは反対に、美しさの裏に隠された寂しさや儚さ、静かに花の命を全うしようとする潔さを感じる」

星萌《萠》
星萌《萠》

星萌《萠》
「生命力を強く感じる春に唯一儚さをまとっているのが桜」だという作者が注目したのは、大地だった。桜の木に注目した作品はあれど、大地を意識したモチーフは初めて見た気がする。大地の力強さと花びらの切なさの対比がとてもいい。

「桜百景」展
「桜百景」展

美術館の展示フロアは1階から3階まであるが、桜花賞展は2階と3階で、1階は、同美術館が収蔵する満開の桜の作品のみを展示する「桜百景」展をやっていた。つまり1階は、ベテランや大家と言われる作家の作品ではあるが、見慣れてしまったせいか、あまり気になるような作品に出会えなかったのは、残念。

Posted by ろん