7774 展覧会「エド・イン・ブラック 黒からみる江戸絵画」

展覧会「エド・イン・ブラック 黒からみる江戸絵画」を鑑賞するため、板橋区立美術館へ。
まず、美術館のすぐ近くにあるアイスクリーム屋?で、あまおうとバニラのミックスアイスを食べて、ひと休みしてから入館。

タイトルもちょっと変わってるが、”黒”に焦点を当てた展覧会ということで、色をテーマにするというのはユニークだ。構成としてはこんな感じ。
1.黒から見る夜
2.象徴とイメージ
2-1 黒と白 ‐ 江戸時代の中国趣味
2-2 黒の浮世絵-墨彩色と紅嫌い
2-3「聖」なる黒
月や暗闇、影などは、もちろん黒で表現されるものではあるが、当然ながら、黒で塗ってしまわれているものではなく、さまざまな工夫が見られる。
墨の濃淡や光の放たれる具合など、などの工夫が興味深い。

どれも良かったが、特に気になった作品は…
秀雪亭《三十三間堂図》(18〜19世紀)
三十三間堂の通し矢が遠近法で描かれていて、よく見ると大勢の人たちがシルエットになっている。
暗さと賑やかさが同居した感じ。
この作品について、もっと詳しく知りたかったが、インターネットを検索してもまったくヒットしない。
この作品は個人蔵だから、なおさらか?
森一鳳《星図》(1867年(慶応3年))
まさに星だけが描かれていて、解説によれば、江戸時代に星のみを描いた作品は、他に類例がなく、制作意図も明らかでないそう。
星と星とのあいだは、金色の細い線でつながっているが、やはり星座を意識したものか?
この作品も個人像で、情報が見つからない。
前述の《三十三間堂図》と違って、本展を紹介する情報サイトで、この作品が載っていてよかった。
本展の構成とは別にあった「特集 黒の化粧」もなかなかおもしろかった。
江戸時代の「黒の化粧」といえば、髪、お困黒、眉化粧…ということで、関連した作品や資料が展示されていた。
《都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)》(1813年(文化10年))は、スキンケアやメイクなど多岐にわたる実践的な内容が記された美容書で、実に100年以上にもわたって読まれたロングセラー本だそうだ。
特に美しい髪の重要性が説かれていて、髪の洗い方とか結い方といった、基本的な方法から、髪の生える薬、一生白髪の生えない薬、白髪を黒くして艶を出す薬、白髪を抜いて黒い髪を生やす薬、若白髪を治す薬など、ちょっと怪しげな内容も多い。
でも、気にするところは、現代とまったく変わらないということがよく分かる。
こちらでは当時のではないが、すべての内容を見ることができるみたい。
最後は、狩野了承《秋草図屏風》(1834年(天保5年))を暗くした展示室のなかで、蝋燭を模した照明を使って鑑賞するコーナー。
鑑賞する人が、この”蝋燭”の「明るさ」と「灯りのゆらぎ」を調節できるこだわりがおもしろい。
金屏風は、こうした明かりのなかで、その存在感をもっとも発揮するのだということを実感できる。
コンパクトな展示ながら、とても見ごたえのある内容だった。
ちなみに、この展覧会の会期が、たったの1ヶ月程度とかなり短い。
これは、今回展示のほぼすべての作品が他館や個人の所蔵品だから?なんて思ったが、どうだろう?