7742 展覧会「中世の華・黄金テンペラ画」

目黒区美術館で開催中の展覧会「中世の華・黄金テンペラ画 — 石原靖夫の復元模写 チェンニーノ・チェンニーニ『絵画術の書』を巡る旅」を鑑賞。
テンペラ画というと、すぐに思い出すのは、どうしても「帝銀事件」だ。
逮捕されたのが、テンペラ画家だったからだ。
終戦直後の事件であり時代からして、テンペラ画というものが他の絵画技法に比べて簡易的なものだと、勝手に思い込んでいた。
展覧会に先立ちって軽く予習をし、実際に鑑賞すると、自分の想像とのあまりの違いに、”衝撃”とも言えるほどの認識違いをしていたことに気付かされた。
まず、そもそも、テンペラ画とは、主に卵黄で顔料を練った絵具で描く絵画のこと。
特徴として、乾くのが早く、耐久性に富むとともに、明るく鮮やかな色を出すことができるのだそう。
レオナルド・ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》もテンペラ画で描かれているという。
ただし、温度や湿度の変化に弱いという問題があり、食堂に描かれていた《最後の晩餐》は、早々に剥落が始まったようだ。
1970年にイタリアに渡り、黄金テンペラの技法を学んだ石原靖夫が、6年の歳月をかけ、復元模写を完成させたシモーネ・マルティーニの代表作《受胎告知》(1333年)をはじめ、テンペラ画についての技法を詳しく紹介している。
展示は以下の章立てに分かれていた。
第一話 旅の始まりーローマへ
第二話 シモーネ・マルティーニ《受胎告知》(1333年)の復元模写
第三話 テンペラ画制作工程
第四話 ラピスラズリと古典技法への旅
制作技法、道具、材料、絵の具などを展示し、それぞれかなり丁寧に解説している。
原則写真撮影は不可だが、《受胎告知》については写真撮影が可能だった。
圧倒的な金の煌めきと表現の繊細さがすごい。
徹底的なこだわりが随所に見られた。

いろいろと知らないことだらけだった。いくつか気になったことを挙げていくと・・・。
中世の金箔はは、金貨を叩いて作っていた。
金箔はキャンバス全面に貼られている(目に見える部分だけではない)
制作過程は動画でも紹介されていたがキャンバスに金箔をのせるときの大胆さがすごい(金箔は一気に載せる)
作成過程は、もはや”絵画”というより”工芸”だった。
・・・などなど。
今回の展覧会で完全にテンペラ画のイメージが変わった。








