四百字小説/創英社出版事業部
四百字小説 創英社出版事業部 創英社 2006-10 |
四百字といえば原稿用紙一枚だ。そんなわずかな文字数で、世界をつくって物語を展開していくことは、そう容易いことではない。
ここでは「400字小説コンテスト」に入選した45作品が収録されている。
読んでいるうちに小説を書きたくなってきて、なんか書いてみようかな…とは思ったものの、全然先に進まない。仮に400字と限定しなくたって、思いつくままどんどん書き進んでいっても良いのだけれど、そもそも訴えたい何かがなければ、人様に読んでもらう文章になるわけがないのだ。
一番多いのは、ごくごく普通の日常の一部切り取った話。日常生活のなかの一部なので、感情移入しやすいのだろう。そこまでは僕でもできそうだ。けれど、文末でも文章全体でも、その小説を通して何かを訴えるかということを、どれだけはっきりさせられるかということが最大のネックになりそうだ。掲載されている小説は、どれも言いたいことがはっきりしている。
しばらくは、こうした小説をたくさん読んで「訴えたい何かを見つける力」を身につけたい。
(★★★★☆)