3775 死亡広告に潜む謎
なぜなら、それは、にわかには信じられない内容だったからだ。
あらためて新聞を見てみたら、確かに載っていた。
本人の同意なしに改造人間化の実験に利用されたが失敗し、心身に後遺症が残った…といった記述が…
常識的に考えれば、あり得ない話で、まともに受け取れない内容ではあるが、新聞への死亡広告なので、当然ながらお金が掛かっている。
決して安くはないだろうと思い、掲載されていた朝日新聞の社会面のこの広告料金を調べてみた。
区分 | 全国版 | 内訳 | ||||
東京・北海道 | 大阪 | 西部 | 名古屋 | |||
朝刊 | 156,000 | 80,000 | 44,000 | 20,000 | 12,000 | |
社会面 | 176,000 | 91,000 | 49,000 | 22,000 | 14,000 | |
夕刊 | 111,000 | 62,000 | 32,000 | 10,000 | 7,000 |
※単位=円/1cm×1段当たり
やはり高い!
どの地域に載せていたのかはわからないが、少なくとも東京版だけでも、1cm×1段の基本料金が、91,000円もする。
これはあくまで縦1段×幅1cmの基本料金なので、今回掲載された広告の大きさは、2段×2cmだから、基本料金91,000円×4で、364,000円にもなる。
最低でもこれだけの費用を費やすのだから、きっと何らかの意図があるだろう。
もっともあり得そうなのが、“暗号”だ。
でも、これも違和感がある。
もし暗号なら、特定の相手にわかるようにすればいいはずだ。死亡広告を使うにしても、ありふれた内容にすればいいし、もっと小さな記事でいい。
しかし、これはまったく違った。
つまり、あえて意味不明な内容にして、不特定多数の人の目に止まるようにする自体が、目的のひとつだったのではないか?という気がする。
そこまではいいとしても、その先が続かない。いろいろ考えてみたが、どれも決定打に欠く推理ばかり。
さすがに真相を知る機会はなさそうだ。
なんだろう…気になる…。