頭がよくなる図化思考法 /齋藤 孝

■趣味・実用・人生論,趣味・実用・人生論,龍的図書館

頭がよくなる図化思考法 (ソフトバンク新書) 頭がよくなる図化思考法 (ソフトバンク新書)
齋藤 孝

ソフトバンククリエイティブ 2010-04-19
売り上げランキング : 28276

Amazonで詳しく見る by G-Tools

仕事をしていると、さまざまな課題に直面する。

多くの場合、課題は複雑で、解決までの道のりが容易ではないことばかりだ。

図化思考とは「図を描きながら考える」知的生産手法です。(中略) 難しいことはありません。いつもやっている箇条書きやメモ、書類作成に、ちょっとした線や矢印を加えるだけのことです。

と、裏表紙に書かれたこの本を手にして読んでみた。

しばらく読み進めていったが、途中くらいから、軽い違和感を覚えた。

どういうわけだか、ほとんど頭に入ってこないのだ。

書いてある意味はわかるのだけど、どうにも、共感しにくいのだ。

「言葉にできないのなら図化しよう」みたいなことが書かれているが、そんなのは、この本を見ようと思った時点でわかってる。

図化思考法は、著者が高校時代からずっと続けてきたことだそうで、「図にすることで、『頭が止まらなくなる』」(p.37)なんて言われても、あなたのような描ける人にとっては当然なことでも、僕のような初心者には簡単でないことが、著者には理解できてないようだ。

「あらゆることをAとBに分ける習慣が大切」(p.100)といわれても、物事が2つに分けられるほど、物事は簡単ではないし、どう分けるかが、最もセンスが問われることではないかと思うが、このあたりがどうもあいまい。若干、解説らしきものもあるが、具体的ではなく、慣れていない者にとっては、結局どうしていいのかよくわからない。

「『図を描きながら話す』『図化しながら勉強する』といったことを、高校時代から続けていた」(p.168)といった話が随所に出てくる。

「頭がよくなる図化思考法」は、あくまで、著者が個人的に取り組んできたことを振り返り、こうしたことでいまの自分になったんだよ、といった自慢話のようにすら感じてきた。

読み終わってみて、なぜこの本が読みにくいのかが、わかった気がする。

「図化思考法」という本であるにもかかわらず、190ページ中、図が、たったの6枚(うち巻頭カラー2枚)しかないという事実だ。

まさに、いまこそ、「図化思考法」で解説して欲しいと思った。