1565 変えられた一文字

定点観察

 先日UFJ銀行を模したフィッシング詐欺に遭いそうになったが、Yahoo!のサイトに模したサイトで、他人のIDやパスワードを盗み取った男が逮捕されたというニュースを見た。
 記事によると、男はYahoo!に似せた「YAFOO!」というサイトを作り、オークションにアクセスしに来た利用者が本物と思いこみ、IDとパスワードを入力、その内容が犯人の男に伝わるという仕組みになっていたという。逮捕容疑が「著作権法違反」…なるほど、まずは別件逮捕というわけか。
 それにしても、この事件で一番気になったのは、なぜ男は「YAHOO!」とせずに「YAFOO!」としたのか?ということだ。あえて完全に模倣せず、一部を変えることで著作権法違反を免れると思ったのだろうか?結局はその容疑で逮捕されてしまっているのだけど。
 高度なフィッシング詐欺で使われる偽サイトになってくると、URLも本物と同じ、サイトの作りだってほぼ完璧に同じようなものができるはずだ。それなのに、今回の事件は、フィッシング詐欺のレベルとしては、非常に拙い印象を受けた。見る人が見ればすぐにばれるような代物だ。その上、一番目立つYAHOO!の一文字を変えたのだ。
 ちょっと考えてみた。
 もしかすると一文字だけ変えることで「本物のYahoo!のサイトではありませんよ」と、暗に明示したかったのかもしれない…なんて思ってみた。ある程度インターネットをやっている人が、YAFOO!なんて文字を見たら、ちょっと変だなと思いそうなものだが、不慣れな人や初心者だったらまず気付かないだろう。犯人は「間違える方も悪いのだ」という身勝手な思いが、この一文字を変えさせる動機になったのではないだろうか? 
 いずれにしても、人を騙すような行為は全く許されることではなく、犯人に対して同情する予知は全くない。被害がこれ以上広がらなかっただけよかったと思う。

Posted by ろん