見知らぬ人へ、おめでとう/木村 紅美

見知らぬ人へ、おめでとう
木村 紅美

講談社

図書館に行くと、まずチェックするのは、新着本のコーナーと、返却されたばかりの本が置かれたコーナーだ。

いずれも、ふだん読まないような本でも、さっと手に取って、「おもしろそう!」と思った本を借りるのだが、この本は、まさにそんな感じで読むことにした。

3つの物語で構成されている短編集だった。
主人公は全員女性で、すべて女性からの視点で物語は描かれている。
女性の心理状態は、わからないところも多いけど、こまかな心理描写が、3つの物語の“見どころ”で、興味深かった。

タイトルにもなっている「見知らぬ人へ、ありがとう」では、水上バスが重要な舞台のひとつになっている。大事な要素ではないけど、都営新宿線とか三田線沿線といった身近な路線がちょっとでも登場すると、話が身近に思えてくる。

「野いちごを煮る」は、契約満了直前の派遣社員が主人公の悲哀を淡々と描く。

最後の「天使」は、他2編とは雰囲気が異なり、どこか「世にも奇妙な物語」を思わせるような展開で一番おもしろかった。

全体的に物語は、大きな事件もなく、淡々と進むので、少し物足りなさを感じつつも、ふだん、あまり意識しない、女性同士のやりとりや、女性ならではのデリケートなことなどを垣間見た気がした。

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